パーソナルトレーナーをしている柿本です。
筋トレの停滞期に悩んでいませんか?
そんな停滞期におすすめなのが、『コンパウンドセット法』というトレーニング方法です。
コンパウンドセット法とは、同じ筋肉を使う2種類のトレーニング種目をインターバル無しで連続して行う方法のことを言います。
そうすることで、筋肉に対して普段とは違う強い刺激を与えることができ、筋肉を限界まで追い込むことができるのです。
今回は、そんなコンパウンドセット法の効果や、具体的なやり方を解説していきます。
コンパウンドセット法とは
コンパウンドセット法は、2つの種目で同じ筋肉を使うので1つの種目のみで行うよりも、鍛えたい筋肉に強い刺激を与えることができます。これが、通常とは違った刺激を与えることができ、筋肉量の増加につながります。
例えば、腕の表側の力こぶの筋肉を鍛えるとき、『バーベルアームカール』というトレーニング種目の後に、同じく力こぶの筋肉も鍛える『ダンベルカール』を行う、と言った形で行います。
そうすることで力こぶの筋肉を通常のトレーニング方法とは違った形で追い込むことができ、筋肉に強い刺激を与えることができます。
ちなみに、多くの関節を使って行う種目のことをコンパウンド種目といいますが、これはトレーニングの種目に対する用語であり、トレーニングのメニューの組み合わせ方の用語であるコンパウンドセット法とは別のものです。
もちろん、コンパウンドセット法でコンパウンド種目を使うことはあります。この2つの用語を混同しないようにしましょう。
コンパウンドセット法の2大効果
効果① トレーニング時間の短縮
コンパウンドセット法を行うことで、トレーニング時間を短縮することができます。
2種目連続で同じ筋肉を鍛えるので、通常のトレーニングよりも筋肉を早く追い込むことができ、トレーニングの時間効率が高くなります。
効果② 通常のトレーニングとは違う刺激を与えられる
コンパウンドセット法は、通常のトレーニングとは違う強い刺激を与えることができます。
筋肉は同じ刺激ばかり与えてしまうと、刺激に慣れてしまって、成長しにくくなります。それがいわゆる『停滞期』です。
そんな停滞期の時に、コンパウンドセット法で強い刺激を与えることで、停滞期を打破することができます。
コンパウンドセット法のやり方
コンパウンドセット法を行うときは鍛えたい部位を選んでから、2種類のトレーニング種目を選ぶ必要があります。
まずはメインで鍛えたい部位を決めましょう。鍛えたい部位を決めたら、それに合ったトレーニング種目を選んでいきます。
※例 大胸筋・・・ダンベルベンチプレス+ダンベルフライ
種目を決めたら、インターバル無しで、連続して2種目をトレーニングしていきます。
コンパウンドセット法は、たくさんの関節を使い高重量を扱うことができるトレーニング種目(コンパウンド種目)と、ひとつの関節を使い筋肉に集中的に刺激を与えることができるトレーニング種目(アイソレーション種目)を組み合わせるのが一般的です。
順番は、基本は高重量のものから低重量のものという原則に従って行います。
例外として、軽い重量で筋肉に集中的に刺激を与えてから高重量を扱うという方法もあります。この方法は、鍛えたい部位への刺激があまりよくわからないといった場合におすすめな方法です。
ただし、軽いものから行うことで筋肉は疲労しているので、高重量を扱う種目の使用重量はやや軽いものしか扱うことができません。この点に注意しながらトレーニング種目と順番を選んでみましょう。
それでは、具体的に部位別コンパウンドセット法のやり方を解説していきます。
コンパウンドセット法の具体的なやり方
大胸筋の場合
胸の筋肉をコンパウンドセット法で鍛えるときは、ベンチプレスとダンベルフライを組み合わせるのが一般的です。
ベンチプレスで胸を含む上半身の筋肉を全体的に刺激を与えてから、ダンベルフライを行うことで胸の筋肉へ重ね塗りのように刺激を与えることができます。
ちなみに、ダンベルフライは胸の筋肉を伸ばしているときに刺激が入りやすいので、ダンベルを下ろすときはゆっくり行うようにしましょう。
背中の場合
背中の筋肉をコンパウンドセット法で鍛える場合、ベントオーバーロウとベントオーバーラテラルレイズを組み合わせるのが普通です。
ベントオーバーロウでは上半身全体、ベントオーバーラテラルレイズでは背中を重点的に鍛えることで、重ねて背中を鍛えることができます。
このトレーニング種目を2つとも立った状態で行うのはきついという人は、ベントオーバーラテラルレイズを行うときにベンチに座って行うと体勢が崩れにくくなるのでおすすめです。
上腕三頭筋(二の腕の裏)の場合
- ナローベンチプレス+トライセプスエクステンション
- ケーブルプレスダウン+フレンチプレス
二の腕の裏の筋肉をコンパウンドセット法で鍛える場合、ナロウグリップベンチプレスとトライセプスエクステンションを組み合わせるのが一般的です。
ナロウグリップベンチプレスでは腕の裏側を含む上半身全体に、トライセプスエクステンションでは腕の裏側に刺激を与えることで、腕の裏側をしっかり鍛えることができます。
トライセプスエクステンションは筋肉が伸びているときに刺激が入りやすいので、肘を曲げていくときはゆっくりと行いましょう。
上腕二頭筋(力こぶ)の場合
力こぶの筋肉をコンパウンドセット法で鍛える場合、ダンベルアームカールとコンセントレーションカールを組み合わせるのが普通です。
ダンベルカールとダンベルを使って行うコンセントレーションカールを続けて行うことで力こぶの筋肉に強い刺激を与えることができます。
コンセントレーションカールは筋肉が縮んでいるときに刺激が入りやすいので、しっかりと力こぶの筋肉を収縮させて行いましょう。
大腿四頭筋(太ももの前)の場合
大腿四頭筋(太ももの前)の筋肉をコンパウンドセット法で鍛えたいときは、スクワットとレッグエクステンションを組み合わせるのが普通です。このときのスクワットは、膝をしっかり動かすタイプのスクワットで行います。
レッグエクステンションとはシートに座って脚を伸ばすことで太ももを鍛えるマシンのことをいいます。太ももの前の筋肉の動きを常に感じながら行うようにしましょう。
ハムストリング(太ももの裏側)の場合
太ももの裏側の筋肉をコンパウンドセット法で鍛える場合、デッドリフトとレッグカールを組み合わせるのが一般的です。
デッドリフトは腰をしっかり引いて行うものにしましょう。身体をしっかり前に倒すことで太ももの裏側の筋肉に強い刺激が入ります。
レッグカールはマシンに寝て行うものとシートに座って行うものがあります。いずれも脚を伸ばした状態から膝を曲げることで太ももの裏側の筋肉を鍛える種目です。
太ももの裏側の筋肉の動きを確かめながら行いましょう。
コンパウンドセット法はこんなときにおすすめ
コンパウンドセット法は、短時間で筋肉を鍛えたいときにおすすめ!
コンパウンドセット法は2種目を続けて行う方法なので、1種目ずつ行う通常の方法よりも短時間で筋肉を鍛えることができます。
また、コンパウンドセット法は、停滞期のトレーニングにもおすすめです。
1つの身体の部位に対して2種目のトレーニング種目を行うことで、その1つの身体の部位に刺激を強く与える感覚を自然と身につけることができるようになります。つまり、コンパウンドセット法を継続的に行うことで筋肉に「効かせる」感覚が身につくようになります。
通常とは違う刺激を与えることで、筋トレの停滞期を打破していきましょう。
コンパウンドセット法を行ううえでの注意点
注意点① 力を強くするのには向いていない
コンパウンドセット法はおもに筋肉量を増やすためのトレーニング方法です。いかに筋肉に刺激を与えるかに特化した方法なので、力を強くすることを目的としたトレーニング方法ではありません。
コンパウンドセット法は続けざまに2種目行うので、2つのトレーニング種目での使用重量は通常のトレーニングよりも落ちます。
なので、コンパウンドセット法は筋肉量を増やす期間のときに行うようにしましょう。
注意点② コンパウンド種目の使用重量はあらかじめ下げておく
コンパウンドセット法で脚や胸を鍛える場合、コンパウンド種目の使用重量はあらかじめ下げて行いましょう。コンパウンドセット法で脚や胸を鍛えるときは、どうしてもコンパウンド種目での使用重量は大きくなってしまいます。
そのとき、限界近くの重量を扱ってしまうと1種目だけで疲れすぎて、コンパウンドセット法でトレーニングを続けることが難しくなります。
違った刺激を同じ筋肉に入れることがコンパウンドセット法のメリットなので、疲れすぎて2種目めができなくなることは避けておきたいところです。
2種目めもバランスよく行うために、コンパウンド種目の使用重量は減らしておきましょう。
サプリメントも活用しよう!
筋肉をつけていくためには、トレーニングを大事ですが、サプリメントも活用していきましょう。
サプリの中で特に最近人気なのが、『HMB』というプロテインの中でも筋肉により効く成分を抽出したサプリメント。
HMBは、筋肉をつきやすくしたり、筋肉の分解を抑えてくれる効果があって、海外では当たり前のように活用されています。僕も筋トレ前後には必ず飲むようにしていますよ。
HMBの詳しい効果やおすすめなどをまとめましたので、参考にしてみて下さい。
さいごに
コンパウンドセット法は、インターバルがないのでかなりキツイのですが、その分しっかりと追い込むことができますよ!
もし筋トレの停滞期で重量が伸びなかったりしたら、コンパウンドセット法を取り入れてみて下さい。
また、他にも『スーパーセット法』というトレーニング方法があります。
スーパーセット法は、上腕二頭筋+上腕三頭筋というように、体の表と裏を組み合わせる筋トレ方法です。
スーパーセット法については、以下の記事で解説してますので、参考にしてください。
⇒筋トレのスーパーセット法の効果とは?腕・背中・胸のやり方を解説!
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