筋トレのチーティングの正しいやり方!反動を使う効果とは?

パーソナルトレーナーをしている柿本です。

筋トレにおいて、反動を使って追い込むテクニックを『チーティング』と言います。

反動を使うことは悪いフォームと思われがちですが、正しく使えば効果的に筋肉を追い込むことができます。

ただ、適当に反動を使えば良いってわけではありません。

ここでは、チーティングの効果と正しいチーティングのやり方について、解説していきます。

筋トレにおけるチーティングとは?

トレーニング用語としての「チーティング(cheating)」とは、直訳すると「ごまかし」という意味で、反動をつけて行うことで回数を重ねるテクニックのことをいいます。

トレーニングの最初は通常のフォームで行い、通常のフォームでできなくなったらチーティングで反動や他の筋肉の力を借りて回数を重ねるといった筋肉を追い込む形で使うテクニックです。

チーティングは正しく行うことができれば、怪我の予防や筋肉量の増加効果が期待できる立派なテクニック。

チーティングを正しく行い、よりよい身体をつくっていきましょう。

ちなみに、チーティングの反対の概念として『ストリクト』という概念があります。ストリクトとは、「厳格な」という意味の単語で、トレーニング用語としては反動を使わないで行うという意味で使われます。

トレーニングの流れとしては、ストリクトからチーティングに移るという形になります。

チーティングの効果

①筋肉の追い込みができる

チーティングの効果として、最も期待できるのが筋トレの最後の追い込みです。

筋トレは最後の1.2回の追い込みが最も重要です。ここで追い込みきれるかどうかが、筋肉の成長に鍵を握っています。

そういう時に、反動を付けずにやるとできなくても、多少反動を付ければ意外と1.2回くらいはできたりするのです。

例えば、バーベルカールで反動を付けないと持ちあげるのは厳しくても、反動を付けて持ちあげれば、戻す時に追い込むことができますよね。

そのように、チーティングを正しく使えば、筋トレの最後の追い込みをすることができます。

②筋肉量の増加

さらに、チーティングをして筋肉を追い込むことで、筋肉量の増加が期待できます。

チーティングを使って筋肉を追い込むことで、通常のトレーニングでは使われなかったであろう筋肉の繊維にまで刺激が入り、それが筋肉量の増加につながります。

ボディビルダーや俳優として有名な、アーノルド・シュワルツェネッガーもチーティングを使って筋肉量を増やしたといわれています。

③怪我の予防

高重量でのチーティングのメリットは関節や腱、結合組織、筋肉の付け根の負担を減らすことができます。

高重量での反動を使わないストリクトなフォームだと筋肉の刺激が強いですが、それと同じように関節などの負担は大きいものになります。

チーティングの正しいやり方

チーティングを使う際には、基本的にはフォームを崩さないことが大切です。

例えば、バーベルカールなどで思いっきり背中を反って持ちあげると、上腕二頭筋に刺激が入らずに、ただ全身の力で持ちあげてるだけになってしまいます。

ですので、チーティングを使う際にも、フォームは崩さないようにしましょう。

そして、チーティングのやり方は大きく分けて、「股関節を使うもの」「膝を使うもの」の2つあります。

それぞれを詳しく解説しますね。

①股関節を使うチーティング(バーベルカールなど)

股関節を使って行うチーティングの代表例は、上腕二頭筋の種目であるバーベルカールでのものです。

通常のバーベルカールでは股関節を使いませんが、通常のバーベルカールでは1回も挙げれなくなったときに、股関節を後ろに引いてから前に出すようにすることで反動が使えるようになり少ない腕の力でも続けることができるようになります。

このことを利用して、バーベルカールでは降ろすスピードを遅くして筋肉に刺激を与えるというテクニックを使うことがあります。バーベルを挙げるときはチーティングを使って、下ろすときは時間をかけて行うというテクニックは筋肉を追い込むときに効果的です。

②膝を使うチーティング(サイドレイズなど)

膝を使って行うチーティングの代表例は肩の種目であるサイドレイズです。

通常のサイドレイズでは膝は使いませんが、通常のサイドレイズでは1回も挙げれなくなったときに膝の屈伸を利用して続けることができます。

身体を起こして膝を軽く曲げた状態から膝をすばやく伸ばすことで、ダンベルが持ち上がり少なくなった肩の力でも続けることができます。

肩のトレーニングは回数を重ねたほうが効果的なことが多いので、このチーティングのテクニックはマスターしておいて損はないでしょう。

チーティングが合っている筋トレ種目

カール種目

カール種目は基本的には、チーティングが使いやすい種目です。

ただ、あまりにも重すぎると肘の怪我などに繋がりやすいので、無理はしない方が良いです。

レイズ種目

レイズ系の種目もチーティング使いやすいです。

リズムよく回数を重ねて、肩を追い込んでいきましょう。

背中の種目

背中の種目は、チーティングを使った後の戻す動作にも負荷がかかりやすいです。

戻す時もゆっくりと負荷を感じながらトレーニングするようにしましょう。

チーティングはこんな人におすすめ

①筋肉量をもっと増やしたい人

チーティングは筋肉量を増やしたい人に有効なテクニックです。

チーティングで筋肉を追い込むことを継続的に行うことで、筋肉量の増加のスピードが加速します。追い込みでチーティングを行うことで、より多くの筋肉の繊維に刺激を与えることができます。

②停滞期の人

チーティングは、通常のトレーニングでは成長しなくなってきた停滞期の人にも有効なテクニックです。

今まで、ストリクトなフォームでトレーニングをしてきた人にとって、チーティングを使ったトレーニングは新鮮なものに感じるでしょう。なぜなら、チーティングでのトレーニングで追い込むことでトレーニング後の達成感はより大きいものになるからです。

チーティングは身体のメリットだけでなく、モチベーションの維持にも効果が期待できるトレーニング方法だといえます。

チーティングを行ううえでの注意点

チーティングは正しく行わないとただ疲れただけになってしまうテクニックです。

注意点をしっかり頭に入れて効果的なトレーニングを行いましょう。

①鍛えたい部位を中心に考えてアシストは最小限にする

チーティングはあくまでも鍛えたい筋肉を追い込むためのテクニックです。なので、チーティングを行うことであまり関係のない筋肉ばかり使ってしまうと効果がなくなってしまいます。

なので、チーティングを行っているときも鍛えたい部位を中心に考えてアシストを最小限にするようにしましょう。それで、鍛えたい部位に力が入らなくなったら動作を終えましょう。

②フォームを一定にする

チーティングをするときも、フォームは一定の形を守るようにしましょう。いくらチーティングとはいえ、フォームがバラバラだと負荷が分散されてしまいトレーニングの効果がなくなってしまいます。

チーティングを使い始めてからのフォームが一定になるように常に心がけましょう。また、フォームを一定にすることができる重量設定にすることも大きなポイントです。

③バウンドさせない

この項目は種目が限られるのですが、トレーニングのボトムポジションでバーベルをバウンドさせるのはやめましょう。例えば、デッドリフトでバーベルを床にバウンドさせて回数を重ねたり、ベンチプレスで胸でバウンドさせて回数を重ねるといったことはやめましょう。

なぜなら、バウンドをさせることでフォームを崩す可能性が極めて高いからです。

チーティングはフォームを一定にすることが大前提です。その大前提を無視するようなことはやめましょう。

さいごに

チーティングは、しっかり活用すれば、最後の最後まで筋肉を追い込めます。

ですが、筋トレ初心者が無理して行うとフォームが崩れる場合がありますので、まずはフォームを固めてから行うようにしましょう。

筋トレの正しいフォームややり方については、こちらの記事を参考にしてください。
【筋トレ部位別メニュー一覧】60種類以上の自重・フリーウエイト・マシンまとめ





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ABOUTこの記事をかいた人

ADIDAS FUNCTIONAL TRAINING 認定トレーナー
ViPR ライセンス 認定インストラクター

2011年大手スポーツクラブ入社、その後フリ―ランスのインストラクター兼パーソナルトレーナーとして活動。ロジカルな指導に定評があり、筋トレライターとしても活動中。
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